旭化成の吉野彰名誉フェローがノーベル化学賞を受賞しました。
日本人がノーベル賞を受賞したのは、27人目。
科学省では8人目の受賞者です。
では、なぜ吉野彰氏はノーベル化学賞を受賞できたのでしょうか?
リチウムイオン電池が世の中にもたらした変化から、その疑問を紐解いていきます。
吉野彰氏がノーベル化学賞をなぜ受賞できた?リチウムイオン電池で何が変わった?
吉野彰さんが発明したリチウムイオン電池は、世の中の生活に変化をもたらしました。
90年代当初のバブル時代は、携帯電話は肩にかける大型のもの(ショルダーフォン)、パソコンは分厚く重量があるもので持ち運ぶのに不便、カメラはフィルム式のもの。
それが90年代の中頃、リチウムイオン電池が使用された商品が続々と世の中に出てきました。
その特徴は、小型化、軽量、安全性(繰り返し充電間可能)にあります。
携帯電話はガラケーが出てきました。
ポケットに入れられるほどに、サイズが小型化しました。
パソコンは薄く軽量になり持ち運びが楽になりました。
デジタルカメラが出てきたのも、このリチウムイオン電池が発明されたおかげです。
つまり1990年から進んだデジタル化の中で、リチウムイオン電池の登場によりモバイル時代の幕が開いたことになります。
吉野彰氏がノーベル化学賞をなぜ受賞できた?リチウムイオン電池が環境保護につながる!
リチウムイオン電池の商品化は、携帯電話、パソコン、カメラだけにとどまりません。
安全性と実績が求められる電気自動車にもこのリチウムイオン電池が利用されています。
リチウムイオン電池により、製造コストが大幅に抑えられ、1回の充電で走ることのできる走行距離が飛躍的に伸びました。
更には、風力発電のような再生エネルギーに対する大容量の蓄電池の活用も期待されています。
電気自動車のコストダウンが進めば、電気自動車の利用者も増え環境問題の改善に大きく貢献できます。
また、風力発電もしかりです。
ノーベル化学賞受賞の理由は、環境保護、環境問題への貢献も大きな要素になったと思われます。
吉野彰氏がノーベル化学賞をなぜ受賞できた?未来を読み取る力にあった!
リチウムイオン電池の商品化が世の中を大きく変えていきましたし、これからも変わっていくだろうと思われます。
リチウムイオン電池開発初期の頃、”ポータブル”、”ワイヤレス”、”コードレス”などの新しい言葉(流行語)が生まれていました。
吉野さん曰く
世の名(世界)が変わるときは新しい言葉が氾濫する。そういった言葉の裏に潜んでいる姿を読み取れば未来が見える
研究開発者は、5年、10年先のことを考えないと進めない
と仰ります。
まさに吉野さんは、リチウムイオン電池開発当初に、世の中に生まれた新しい言葉の裏にある姿を読み取り、現在のモバイルIT社会の未来を予測でき、様々な苦難を乗り越え、リチウムイオン電池を開発・商品化できたのだと思います。
まとめ
吉野彰さんは、未来のノーベル賞受賞者に向けて、2つの力が必要であると
ひとつは、自分で独創的なものを生み出す力
そして、もう一つは、5年、10年先をある程度自分で見通せるような力
この2つの力がつながったら非常に強くなれると語っています。
更に、未来の子供たちに、ゴルファーの渋野日向子選手を例に挙げて(自分もそうだったように)明るい話題で子供の人生が変わるきっかけになることを願っています。
未来を読みとる力を持つ吉野さんは、日本の未来の子供たちの明るい未来を願うとともに、日本から未来のノーベル賞受賞者が現れることを期待されています。
吉野先生に続くノーベル賞がどんどん現れることを願います。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。