東アフリカでバッタ(サバクトビバッタ)が大量発生し東に向かっています。
日本に来ることを心配されている方もいるようです。
現在、バッタの大群がどこにいるのかその原因について、更には日本に来る可能性やその影響について調査しました。
バッタ大量発生!現在地は?
東アフリカのケニア、エチオピア、ソマリア地域で最初に大量発生したサバクトビバッタの大群。
現在その生息地域を東へと進めインド・パキスタンに及んでいます。
バッタの大群インド方面
国連食糧農業機関(FAO)が公表する「Locust Watch」の最新版(5月27日)のよると
バッタの大群は、インド北部のパキスタンとの国境に接するラジャスタン州(下記地図5)に達し、さらに東の方向へのマディヤ プラデーシュ州(10)や州都ムンバイを抱えるマハラシュトラ州(12)に向かう構えをしています。
マディヤ プラデーシュ州の州都はボーパールの北部では少なくとも一群の群れが観測されている模様です。
↑赤色の”swarms”は群れを意味します。
バッタの群れがパキスタン国境の山沿い、そしてインド東部へと進行しているのがわかります。
ここで注目すべきは、バッタの大群は山には向かっていない(行けない)ことがわかります。
地形が直感的にわかる陰影隆起図↑とバッタの現時点での生息地図を照らし合わせると、
赤色のバッタの大群を示す部分は平地に集中していることがわかります。
今後平地に沿ってバッタの大群は生息範囲を広げていくものと思われます。
予測によれば、7月までにインド東部のビバール州(8)、オリッサ州(12)に及ぶとも言われています。
バッタの大群は、次の産卵期に入るまで移動は止まらないとみられております。
インドから先のバッタが進行については、今のところ不明ですが、ヒマラヤ山脈南麓に位置するネパール、バングラディシュ、山脈が広がるデカン高原のあるインド南部にまでは広がらない見通しです。
これやばいな バッタの大群で日本にも来るかもしれないね pic.twitter.com/NQqCKHhvI0#バッタの大群
— てぇやんでぇい! (@shitian913) May 31, 2020
↑バッタの大群(インド)
バッタの大群パキスタン方面
バッタの大群は、インド方面そしてパキスタンの最大州のバローチスターン州(下記地図1)やパンジャブ州(3)へも広がっています。
インドとの国境付近で夏の産卵期を過ごすと予想され、この停止時期に駆除作戦が展開される見通しです。
パキスタンからさらに北部へ進出すると、中央アジアから中国への展開も予想されます。
バッタ大量発生の原因
今回のバッタの大量発生は、2019年の干害後に10月~12月にかけて気候変動の影響で各地で激しい豪雨などの異常気象により、異常繁殖したことが原因とみられています。
国連食糧農業機関(FAO)の上級蝗害予報官であるキース・クレスマン氏によれば、サバクトビバッタが発生の根本原因は2018年5月のサイクロン「メクヌ」と言われています。
このサイクロン「メクヌ」は砂丘の間に多くの一時的な湖を出現させました。
こうした場所でサバクトビバッタがさかんに繁殖して最初の大発生が起きたと考えられています。
サバクトビバッタの寿命は約3カ月で、その間に繁殖します。
繁殖の条件がよければ、次の世代のバッタは20倍にも増えることになり、サバクトビバッタは短期間のうちに急激に増加してしまうのです。
現在、東アフリカでは第2波の発生が懸念されています。