箱根駅伝の外国人枠のルールとは?2020年の注目留学生選手と歴代外国人に迫る!

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TOKYO, JAPAN - JANUARY 02: Runners compete during day one of the 88th Hakone Ekiden on January 2, 2012 in Tokyo, Japan. (Photo by Sports Nippon/Getty Images)

お正月といえば箱根駅伝。

箱根駅伝で盛り上がるシーンの一つに「ごぼう抜き」があります。

その立役者ともなっている外国人選手。

箱根駅伝の外国人枠のルールはどうなっているのでしょうか?

歴代の外国人選手と2020年の注目留学生(外国人選手)にも迫ります。

箱根駅伝の外国人枠のルールとは?

箱根駅伝のルールについては、東京箱根間往復大学駅伝競走に関する内規第2章の第9条に規定されています。

第2章 参加資格及び申し込み

 第9条
  チームエントリーは16名以内、区間エントリーのチーム編成は正選手10名、

  補欠選手6名以内とする。

  ただし、留学生は、エントリー2名以内、出走1名以内とする。

留学生(外国人)は、2人まではエントリーが可能ですが、1名しか出走できないようです。

留学生選手についてのルールの変遷

外国人枠(留学生)の人数制限のルールは、長い箱根駅伝の歴史の中で、変遷していきました。

箱根駅伝で1番最初に外国人選手を起用したのは山梨学院大学です。

1989年の第65回大会。

ジョセフ・オツオリ選手とケネディ・セナ選手です。

オツオリ選手はエース区間の花の2区に登場して、1年生ながら7人抜きの快走を見せたました。

8位でたすきを受けたオツオリ選手は、はじめからハイペースで飛ばし7人をごぼう抜き。

後半失速したものの、そのレース運びは衝撃を与えました。

当時は、外国人枠のルールはなく「助っ人外国人」の力で勝ち取る勝利に価値があるのかという 留学生選手の起用について議論が巻き起こります。

この議論を経て 2005年10月の第82回大会予選会から留学生選手については

「エントリーは2名、出場は1名」という規定が設けられることになります。

外国人留学生選手起用のメリットとデメリット

外国人留学生の人数制限が設けられたものの、外国人を起用するのはずるいという声もありました。

では、外国人留学生を起用することのメリットとデメリットについてまとめてみます。

留学生選手起用のメリット 

  • レースのスピード化で国内のレベルアップ
  • 留学生との練習によりチームのレベルアップ
  • (新興大学が)出場権をめぐる争いで優位に立てる

留学生選手起用のデメリット  留学生選手の起用はずるい?

以前は、日本人選手とそのスピードの差から、留学生選手を起用するのは、ずるいという考えがありました。

外国人留学生が箱根駅伝に最初に登場したのが1989年。

それから30年以上が経過し、外国人留学生は間違いなくチームのレベルアップ、更には国内のレベルアップをもたらしました。

最近の箱根駅伝上位の大学には、全10区間で日本人選手のみのチームがその殆どを占めます。

日本中が熱狂したラグビーワールドカップ。

日本代表チーム31選手の中で外国人選手は15人。

彼らは日本のためにONE TEAMで勝利のために戦ってくれました。

それをずるいと思いましたか?

世界の人たちもそうは思わないはずです。

箱根駅伝でチームに外国人選手がいることをずるいと考えるのはもう古い考えに思います。

今は、留学生選手起用のデメリットは、ゼロに等しいのではないでしょうか。

箱根駅伝の歴代の外国人(留学生)選手

歴代の外国人の留学生選手を各区間別に見ていきましょう。

1区を走った外国人留学生

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
69回 1993 ビズネ 1.04.04 6位 亜細亜大学 13位
 70回  1994 ビズネ 1.04.26 11位 亜細亜大学 12位
72回 1996 ビズネ 1.03.26 1位 亜細亜大学 7位
 73回  1997 ワチーラ 1.05.52 9位 山梨学院大学 優勝
95回 2019 タイタス 1.02.50 8位 東京国際大学 15位

2区を走った外国人留学生

往路最長区間の23.1キロ。

各校がエースを擁するこの区間。

留学生選手をこのエース区間に最も多く起用されてます。

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
 65回  1989 オツオリ 1.08.23 1位 山梨学院大学 7位
 66回  1990 オツオリ 1.08.18 1位 山梨学院大学 4位
 67回  1991 オツオリ 1.08.40 1位 山梨学院大学 2位
68回 1992 オツオリ 1.09.11 2位 山梨学院大学 1位
69回 1993 1.08.26 1位 山梨学院大学 2位
 70回  1994 マヤカ 1.07.34 1位 山梨学院大学 1位
71回 1995 マヤカ 1.07.20 2位 山梨学院大学 1位
72回 1996 マヤカ 1.09.26 9位 山梨学院大学
77回 2001 カリウキ 1.11.10 9位 山梨学院大学 9位
77回 2001 カーニー 1.07.43 1位 平成国際大学 13位
 78回  2002 モカンバ 1.08.35 1位 山梨学院大学 9位
 79回  2003 モカンバ 1.08.02 3位 山梨学院大学 2位
80回 2004 モカンベ 1.09.12 2位 山梨学院大学 12位
81回 2005 モカンベ 1.07.47 1位 山梨学院大学 14位
82回 2006 ディラングサイモン 1.11.40 19位 日本大学 3位
82回 2006 メクボジョブモクズ 1.07.29 1位 山梨学院大学 2位
83回 2007 メクボジョブモクズ 1.08.53 6位 山梨学院大学 12位
84回 2008 メクボジョブモクズ 1.06.23 1位 山梨学院大学 6位
85回 2009 メクボジョブモクズ 1.06.04 1位 山梨学院大学 6位
84回 2008 ギタウダニエル 1.07.27 2位 日本大学 9位
85回 2009 ギタウダニエル 1.07.04 2位 日本大学 7位
86回 2010 ギタウダニエル 1.07.37 1位 日本大学 15位
87回 2011 マイナ 1.08.04 6位 拓殖大学 7位
87回 2011 ベンジャミン 1.07.09 2位 日本大学 20位
89回 2013 ベンジャミン 1.08.46 1位 日本大学 15位
89回 2013 オムワンバ 1.09.32 2位 山梨学院大学 11位
90回 2014 ダンカンモゼ 1.08.44 4位 拓殖大学 9位
92回 2016 スタンレイ 1.09.56 13位 東京国際大学 17位
93回 2017 ムソニムイル 1.08.05 4位 創価大学 12位
93回 2017 ワンブィ 1.08.16 7位 日本大学 19位
95回 2019 ワンブィ 1.06.18 1位 日本大学 14位
95回 2019 ライモイヴィンセント 1.07.12 3位 国士舘大学 18位
92回 2016 ニャイロ 1.07.20 2位 山梨学院大学大学 8位
93回 2017 ニャイロ 1.08.31 9位 山梨学院大学大学 17位
94回 2018 ニャイロ 1.07.15 1位 山梨学院大学大学 18位
92回 2016 デレセ 1.09.29 11位 拓殖大学 16位
93回 2017 デレセ 1.07.50 2位 拓殖大学 14位
94回 2018 デレセ 1.07.53 5位 拓殖大学 8位
95回 2019 デレセ 1.07.47 6位 拓殖大学 9位

3区を走った外国人留学生

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
68回 1992 イセナ 1.06.49 8位 山梨学院大学 1位
74回 1998 ワチーラ 1.03.38 2位 山梨学院大学 3位
81回 2005 ディラングサイモン 1.03.23 1位 日本大学 3位
83回 2007 ギタウダニエル 1.03.15 2位 日本大学 2位
86回 2010 オンディバコスマス 1.03.04 2位 山梨学院大学 3位
87回 2011 オンディバコスマス 1.02.19 1位 山梨学院大学 12位
88回 2012 オンディバコスマス 1.01.38 1位 山梨学院大学 9位
88回 2012 ダンカンモゼ 1.03.20 5位 拓殖大学 14位
94回 2018 スタンレイ 1.07.04 20位 東京国際大学 17位

4区を走った外国人留学生

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
 71回 1995 ビズネ 1.05.04 11位 亜細亜大学 11位
 76回 2000 カリウキ 1.04.18 8位 山梨学院大学 9位
 77回 2001 ムヒア 1.06.51 2位 平成国際大学 13位
 79回 2003 カリウキ 1.01.32 1位 山梨学院大学 2位

5区を走った外国人留学生

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
78回 2002 カリウキ 1.18.47 11位 山梨学院大学 9位
90回 2014 ダニエル・ムキバ・キトイ 1.21.51 10位 日本大学 7位
91回 2015 ダニエル・ムキバ・キトイ 1.18.45 2位 日本大学 13位
92回 2016 ダニエル・ムキバ・キトイ 1.18.24 1位 日本大学 11位

7区を走った外国人留学生

大会回 開催年 選手名 タイム 順位 大学 大学順位
 67回 1991 イセナ 1.06.23 3位 山梨学院大学 2位
 75回 1999 ワチーラ 1.04.58 2位 山梨学院大学 6位

8区を走った外国人留学生

大会回開催年選手名タイム順位大学大学順位
 65回1989イセナ1.13.1615位山梨学院大学7位

復路での外国人選手の起用は2000年以降は一度もありません。

また、過去に6区、9区、10区を走った外国人選手はいません。

歴代最強外国人ランナー

歴代の最強外国人ランナーをご紹介します。

ジョセフ・オツオリ

箱根駅伝初の外国人ランナーのジョセフ・オツオリ選手。

ケニアからの留学生として、山梨学院大学にやってきました。

1年生の時に出場した箱根駅伝での、7人のごぼう抜きは、衝撃を与えました。

1年から3年まで3年連続で区間賞を獲得し、外国人留学生の強さを世に知らしめました。

オツオリ選手は、周りの選手のレベルアップにも貢献し、オツオリ選手が4年生の1992年には山梨学院大学は箱根駅伝初優勝を成し遂げました。

大学卒業後も実業団で活躍されていましたが、ケガにより現役引退。

引退後は指導者として活躍されておりましたが、ケニアに一時帰国の際に交通事故により37歳の若さで亡くなられました。

ステファン・マヤカ( 真也加ステファン )

オツオリ選手が卒業後にケニアから山梨学院大学へやってきたステファン・マヤカ選手。

マヤカ選手の活躍により、70回、71回大会で山梨学院大学は2連覇を果たしました。

大学時代には同学年の渡辺康幸選手(早稲田大学)とのライバル対決でしのぎを削りました。

卒業後は選手として活躍し、もと陸上選手の日本人と結婚。その後日本国籍を取得。

現在は、名前を真也加ステファンに変更され、桜美林大学陸上競技部駅伝監督として指導者として箱根駅伝出場を目指しています。

メクボ・ジョブ・モグス

ケニアから山梨学院大学にやってきたメクボ・ジョブ・モグス選手。

1年生から活躍。在学中の4年間はすべてエース区間の2区に起用され、3回の区間賞を獲得しました。

メクボ・モグス選手が3年生時(2008年)に記録した1時間6分04秒の記録は、いまだに破られていない2区の区間記録となています。

東洋大学のエース相澤晃選手。

彼は、次世代の日本のエースとして注目されている選手です。

2020年の箱根駅伝は、相澤選手がこの記録を破ることができるか注目が集まります。

ギタウ・ダニエル

歴代最強の外国人選手は山梨学院大学だけではありません。

日本大学のギタウ・ダニエル選手も最強外国人ランナーのひとりです。

2009年の第85回大会、1区で出遅れた日大。

2区のギタウ・ダニエルは前を走る20人をごぼう抜きし、エース区間の2区で2位まで押し上げました。

この20人のごぼう抜きは、今も語り継がれています。

ギタウ・ダニエル2区ごぼう抜き

  • 第84回(2008年) 15人抜き
  • 第85回(2009年) 20人抜き
  • 第86回(2010年) 11人抜き 

2020年の箱根駅伝、注目留学生選手

2020年の箱根駅伝で注目される外国人留学生選手のご紹介です。

イェゴン・ヴィンセント (東京国際大学)

2020年の箱根駅伝で台風の目になりそうな東京国際大学の留学生選手のイェゴン・ヴィンセント選手。

予選会では、個人3位に入っており、その走りが注目されます。

補欠でエントリーされていますが、1区でエントリーされるのではと言われています。

区間賞も狙える実力、更には史上最強の留学生になる可能性を秘める選手です。

その規格外の走りに注目です。

ライモイ・ヴィンセント (国士舘大学)

2019年の箱根駅伝でも2区を区間3位の走りを見せているライモイ・ヴィンセント選手。

強豪ひしめく選手が多い中、安定した力を発揮できれば区間上位入賞もあり得ます。

2020年の箱根駅伝では、二人のヴィンセント選手に注目です。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

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