こんにちは、そろばん先生のぱちぽちです。
私の教室にも、となりの生徒の答えや、解答を覗き見て、書き写すいわゆるカンニングをする生徒はいます。
では、なせ子供は、カンニングをしてしまうのでしょうか?
今回は、その疑問について深く掘り下げていきたいと思います。
カンニングする子供の心理を徹底解析!ついにその原因が明らかに!
カンニングとは、決してその子のためにならないものですが、カンニング自体が悪いことであるという意識がない子もいるようです。
逆に、悪いということは十分理解している生徒ももちろんいます。それでもやってしまう切実な感情とはいったいどういうものなのでしょうか?
心理①単純に解らないから
答えをだせないことにより、その場しのぎでついカンニングしてしまうことがあるようです。
この答えが出せないことについては、まだ自分で考えることができない幼児に特にみられます。
絵や工作についても、同じような作品が出来上がることもありますよね。これはまさに、自分で考えて導き出すという能力が身についていないことによります。
心理②解らないことと、集中力が続かないこと
考えて導き出すという能力があるにも関わらず、やる気のなさにより解ろうともせず、つまらないから集中できず、考えることを避け、楽な方へと逃げて、答えを書き写してしますこともあるようです。
心理③これ以上考えても解らない
授業が始まる前に、早く来た生徒が学校の宿題をやっていました。ずーと考えて結局答えが出なかたので、答えを見て丸写ししてました。
おそらく、答えを見ながら宿題をやることを大きな問題だと思っていない子供が多いのでしょう。
また、一人でやる宿題は、これ以上考えても解らないときには、つい答えを見てしまうようです。
親は、部屋で一人で子供が宿題をやっている場合は、解らなかったら教えてあげるというスタンスで、子どもに声掛けしてある必要があります。
心理④周りの様子を確認した(きょろきょろした)時につい答えが目に入って
特に低学年の生徒に多いですが、練習をしている時に、周りの生徒はどの辺まで回答しているか、つい気になって、 偶然答えが目に入ってしまい、結果として書き写すことになってしまう。
そうなった場合でも、自分で回答を導き出す生徒ももちろんいます。
心理⑤自分だけ答えを出せないことに、焦りを感じて
そろばんというものは、周りの生徒のぱちぱちという音が聞こえます。まわりの生徒が軽快に回答していると、焦ってしまいカンニングしてしますこともあるようです。
他の生徒は点数がいいのに、自分だけ悪いと馬鹿にされるのではないかという心理が働くようです。
心理⑥他の子に負けたくないと思って
負けず嫌いというものは、競争する上では非常に大切な感情だと思います。
しかし、その方法を間違ってしまってはいけません。正々堂々と勝負することをふだんの家庭環境上において教えてあげて下さい。
心理⑥間違うこと自体に恐怖を感じて
完璧を求める生徒に見られますが、×が付くことに非常に抵抗を感じることがあるようです。
少しでも自分の回答に不安を感じると、すぐ先生を呼び解らないといって助けを求めてくる生徒がいます。
でもこういう生徒は、ひとたび自信をつけると本当に間違わずに、満点に近い成績を出す傾向にあるように思えます。
心理⑦スリルを味わいたくて
いちどカンニングに成功すると、そのスリルを味わうかのように、また繰り返すこともあるのかもしれません。
心理⑧期待している親を喜ばせたい
親の過度な子供への期待により、それに応えて親を喜ばせたいいう思いから、カンニングしてしまう生徒もいます。
こういった生徒は、特に教育熱心な地域の子供に多く見られる傾向があるようです。
私からすれば、お利口さんを無理に演じているようで、胸が痛みます。
心理⑨親に叱られるのが怖くて
過度な子供への期待により、親に叱られたくないと思って。
カンニングを見つけても直接叱ってはいけない!
先生をやっていると子供の何気ない変化に気づきます。
例えばソワソワしていたり、生徒と目を合わせる場面でないときに目が合ったりしたときなど、何かいつもと違う雰囲気の時には、その生徒を見ていないようでよく見ています。
また、怪しいと思って採点をすると、となる同士の生徒が同じところで間違っていたりします。
先生は、生徒のカンニングは気付いています。
でもそのことを直接叱ってはいけません。
私の場合、もし見つけた場合には、全体に向かって『隣の子の見てはだめだよ』とやんわりと注意します。
また、直接叱る場合でも、他の生徒がだれもいない時に、答えを写すことはしちゃだめだよと約束させることです。この時も、責めたり、叱ったりしてはいけません。
もし、他の生徒がいる中で、直接叱ってしまったら、その生徒は、『信用されてない』『嫌われた』『恥ずかしい』といったマイナスの感情を生むことになり、先生と生徒の関係性が悪くなり、それが学習意欲、さらには成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
保護者に伝えることは、子どもの心理から考えてもそうですが、(子供を叱りつけるなどの)親の反応を考えると黙っておく場合が多いのではないでしょうか。
カンニングをする心理からその対策を考察!これをすればやめさせられる!
対策①根気強く教える
自分で考えようとする姿勢の低い幼児に対しては、ティーチング(教えること)をメインに相手が理解するまで根気強く教えてあげましょう。
私の経験上、いくら幼児であってもやる気のある子は、自ら進んで学ぼうとする姿勢があり、少し教えただけでどんどん上達していきます。
一方、やる気のない生徒は、いくらこちらが根気強く教えても、理解しようという姿勢がもともとないので上達がおそくなります。
なぜやる気がないのかは、一方的な親の押し付けから自ら好きで学ぼうとしていないことが原因の一つです。
先生も、そういった生徒に対してやる気をおこさせることができるかが、腕の見せ所でもあります。私の場合は、タブレットを有効活用しています。
ぱちぽちという名前は、パチパチとそろばんを弾く”ぱち”のこと。タブレットをポチッと押す”ぽち”が由来です。
ここで注意することは、ティーチング(教えること)ばかりをやると、先生に頼り自ら考えるということができなくなるということです。
ある程度根気強く教え、理解できたと感じたならば、コーチング(自ら答えを導き出す)方向へ、シフトチェンジしなければなりません。
対策②ヒントをちょっと与えてあげる
やる気のないことの原因のひとつに、『どうせできないから』と最初からあきらめている場合があります。
そういう子には、自信をつけさせましょう。完全に教えるのではなく、答えを導き出すためのヒントを与え(コーチング)、自ら正解できたことによる喜びと、自信を付けさせてあげましょう。
そろばん教室では、自信がない生徒に、その子と同じ級で、その子よりもやや上達が遅い子をライバルとして一緒に練習させると、自信のない生徒は、相手の子よりもできたことにより自信となりやる気を起こさせることができます。
対策③結果より努力を大切に。褒めるのではなく、認め・感心してあげましょう。
親は、『テストがんばってね』と声をかけることはいいと思いますが、『がんばって100点取ろうね』という具体的な結果を求めることは避けましょう。
学校のテストは回を重ねるごとに難しくなっていくものです。
頑張って勉強しても結果につながらない時もあります。それでも、ひたむきな子供は努力を続けます。
結果よりも、その過程の努力を重要視し、認め、感心してあげましょう。
褒めるという行為は、(だから次もがんばりなさい)という心の声を子供は感じてしまいます。
一方、認め・感心するという行為は、反応を期待するものではないので、子どもへのプラスへの働きかけになります。
対策④親の子離れ
いい子を演じている子の特徴として、まるで親が子供と一体化しているかのように子離れできていないことがあるように思います。
子供は自分の分身ではありません。自分の価値観を押し付けることは子供にとっては、重荷になる可能性があります。
親が子供に対して、自分の思うようにいかないときに叱ることは、子どもの心をゆがめてしまいます。
いい子を演じている間は、自分に自信を付けることはできません。親としてもう少し遠くから子供を見守ってあげることも必要です。
子どもは、親が思うよりも大人です。もっと自分の子供を信じてあげましょう。
対策⑤間違うことの大切さを教えてあげる
そろばんは、間違ってその間違いを直す作業を繰り返すことにより、自分の弱点を理解でき、徐々に間違いが減っていき上達していきます。
逆に言えば、間違わなければ上達はあり得ません。
始めから上手な生徒はいません。今、上手にできている生徒も、はじめは何もできなかったのです。
間違いを直すことの繰り返しにより今があるのです。学校の勉強もしかりです。
テストで悪い点数だったならば、『間違って自分の弱点がわかってよかったね。そこを理解できればまた成長できるね』というぐらいの親として余裕が必要です。
『間違い』に対してのマイナスイメージからプラスの考え方を教えてあげましょう。
対策⑤ズルしても、価値がないことを伝える
カンニングをしてよい点数を取ったとしても心から喜べるものではありません。
それは子供自身が自ら感じ取っていることと思います。
その嫌な気持ちを忘れないで、正直に正々堂々とテストを受けることを伝えよう。
まとめ
子供は、親のことは見てないようでよく見ています。
そして、なにも言わなくても、(自分のために愛情を持って接してくれる)親の姿を見て子供は親の期待に応えようと頑張ります。
子供は、お父さん、お母さんが大好きです。
そして、お父さん、お母さんを喜ばせたい思っています。
だからこそ、過度に期待をかけることはしないようにしましょう。
人生において、成功することも自信になり大切ですが、失敗することの方がもっと大切です。
幼いころは、結果よりもその過程がもっと大切です。
そのことを愛情を持って伝えてあげましょう。
そして、子供を信じてありのままを受けとめてあげましょう。
ちょっと離れて子供のことを見守ってあげましょう。
以上、最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。