朝倉未来の少年院エピソード
喧嘩に暴走族に明け暮れる毎日。
ついに警察に捕まり、16歳から18歳までの1年4カ月の間、愛知県・瀬戸少年院で過ごすことになります。
ジタバタせずに少年院へ
自由を求めバイクを乗り回していた未来選手の青春時代。
無免許でのバイクの運転により警察に逮捕されてしまいます。
その他の余罪もあり、鑑別所に入ります。
鑑別所には1カ月入って、その後保護観察になるのか、少年院にいくのかが決まります。
大体の人は、出たいから(保護観察になりたいから)綺麗ごとを言って心証を良くしようとします。
一方、未来選手は
そこで綺麗ごとを言って逃げたら
自分の過去を否定しているような気がして
裁判の時も隣に親がいたんだけど
反省している色は出さずね
もう少年院いってくるわって
既に鑑別所にいるときに、少年院に行く覚悟は決めていたそうです。
ここでもブレない未来選手の性格が垣間見れます。
笑ってはいけない少年院で・・・
少年院ではよく外を眺め、友達のことを考えていた未来選手。
生活は何人かで1部屋を使う集団寮生活です。
私語禁止(笑ってはいけない)という少年院のルールの中で地元豊橋の仲間を想い暮らしていました。
少年院は外から巡回して監視される中、寝ている時に笑っている姿を見られた未来選手は、単独室に連れていかれることになります。
少年院の単独室にて・・・
少年院の単独室では、1日8時間くらい座禅をさせられ、この生活が2週間ほど続きます(当時)
2週間もこの部屋にいると足の筋肉が落ち、集団寮に戻ると1日で筋肉痛になるほどのようです。
さらに時計の無いこの部屋でのそんな生活で精神的に追い込まれるようです。
この単独室から集団寮へ戻るとめちゃくちゃ楽しいと思えるほど過酷な2週間のようです。
同じ月に再び単独室へ・・・その原因とは・・・
そんな苦しい思いをして、再び集団寮に戻ってきた未来選手ですが、同じ月に再び単独室へ連れられることになります。
その原因は、同じ単独室の面白い奴に再び笑わされたことが原因ということです。
ある意味、少年院でも楽しんでいた未来選手です。
少年院での入浴は?
朝倉未来選手の当時の少年院では、入浴時間は7分くらいとあっという間だったようです。
7分ということは、お風呂にゆっくり浸かっていられません。
頭や体をあらっておしまいという感じですね。
少年院の面会室で・・・
朝倉未来選手の面会には、母親のえみさんとまだ幼かった弟の海選手が毎月訪れていたようです。
面会時間は30分という短い時間ですが、毎月遠い豊橋から往復約2時間くらいかけて会いに来てくれていたようです。
そこで弟の海選手は
『喧嘩売られるから早く出てきて助けて』
とお願いしていました。
少年院での反省が朝倉未来のその後の人生を決める!
1年4カ月少年院にいた朝倉未来選手。
親とかを悲しませてしまったことに気づきます。
その中である思いが芽生えます。
そろそろ違うなーっていう
なんかこれもう迷惑かけれんなーって思っとって
少年院に入っとる間に岡君が
アウトサイダーってう格闘技の団体に出るって
親から面会で聞いて
えっ?何それ?みたいな
全国の喧嘩自慢が集まる
格闘技の大会みたいな
やばっ!みたいな
それで俺もめちゃ出たいみたいな
それからというもの、未来選手は格闘家になりたいという夢を抱きその思いを膨らませていきます。
岡先輩がアウトサイダーに出ようとしたのには、未来選手を出したいという思いからのようです。
少年院ではいろんな作文を書かされるようですが、そこでは格闘家になる夢を熱く書いていたようです。
少年院を出た未来選手は、さっそく岡先輩の家でアウトサイダーのDVDを鑑賞します。
そこでの一言が
俺、勝てるわ!
すぐにアウトサイダーに応募したものの、実績・実力未知数の未来選手は落とされてしまいます。
実績・実力を残すため禅道会豊橋道場に入門し、本格的に格闘技を学んでいきます。
少年院を訪れ子供たちに講義
朝倉未来選手は、少年院に送られる子供たちを気遣うコメントをされています。
僕は別に違ったんですけど
非行に走る子供達って 環境のせいとかそういうのも結構あるんですよね
片親に育てられててとか
貧しくて万引きしちゃうとか
根がいい子が多いって知っているんで
ちょっと手助けになれればと思って(少年院に)行くことにしました
普通の人が言うよりはたぶん
俺が言ったほうが伝わるんじゃないかなと思って決めたんですけど・・・
と地元愛知の少年院(豊ヶ丘学園)を訪れる未来選手。
当時の10代の記憶を思い出し少年たちに講義をされました。
講義は、暴力禁止の少年院で、自分が一番強いと思っている子供を前に出し、未来選手とのミット打ちから始まります。
最初の言葉が『拳の交換』でスタートした講義。
少年院で朝倉未来は何を伝えたかったか?
少年院を訪れた朝倉未来選手は、何を少年たちに伝えたかったのでしょうか?
おそらくそれは
”「夢」は叶えられる”
ことを言いたかったのだと思います。
朝倉未来選手は、少年院で格闘家になる夢を見つけ、それを実現させることが出来ました。
更生するために少年院に入ったはずの少年達ではありますが、再び戻ってくることもあります。
出院後に、再入院または刑務所に入所してしまう割合 20%
引用:平成30年度版犯罪白書
10人に2人は同じ過ちを繰り返してしまいます。
その背景には、(一度少年院に入った人間は)夢を見れない・見つけられない・見る資格がない
という思いがあるのではないかと思います。
少年たちの前に立った朝倉選手は、そんな子たちを一人でもなくしたいと願い、自分が人生のお手本だと言わんばかりに
”人生今からでも夢はかなうんだ!”
”自分の大切な人を悲しませるのはもうやめよう”
”人は変われる!”
という思を少年たちに伝えました。
朝倉選手の熱い思いを受け止めた子供たちは、きっと少年院を出た後の希望や夢を持ったに違いありません。