電離層の異常(自然現象)→5~6日後の東日本大震災
電離層と地震の関係について調べたところ、過去に電離層の異常が発生した後に、地震が発生したという興味深い記事を見つけました。
大地震、5~6日前に「前兆」 上空の電離層乱れる 電通大の研究グループが確認
太平洋上の電離層の異常が観測されたのは3月5~6日にかけて。調布、春日井(愛知県)、高知の3カ所の受信局で、電波の夜間の平均振幅が極端に短くなるという「明瞭な前兆」が現れていた。
3日後の3月9日午前、M7.3クラスの地震が三陸沖で発生した。「当初はこの地震の前兆だと思った。しかし、(観測から地震発生までの時間が)通常は約1週間なのに3日というのは短く、疑問に思っていた」と早川氏。その2日後の11日に超巨大地震が起きた。
引用元:日本経済新聞(2011.5.2)電通大研究グループ
その地震とは東日本大震災のことです。
電離層の異常が観測された地点と、東日本大震災で大きな危害を受けた地域とは異なりますが、地震発生の前に電離層の異常が観測されていたようです。
この研究結果の発表から5年後
今度は京都大学の地震研究者の研究成果の発表がありました。
大地震発生直前の電離圏異常を検出 -マグニチュード7以上の大地震の直前予測の可能性-
梅野健 情報学研究科教授、岩田卓也 同博士前期課程学生は、複数のGPS観測局から電離圏の電子数異常を捉え、マグニチュード7以上の大地震発生予測につながりうる、実用的なデータ解析手法を開発しました。公開されているデータのみを用いるデータ解析手法であり、将来的には大地震発生の1時間から20分前といった直前の異常検知に資する可能性があります。今後他の研究グループによる正確性の検証が進むと考えられます。
本研究成果は、2016年9月30日に米国の学術誌「Journal of Geophysical Research ‐ Space Physics」に掲載されました。
引用元:http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2016/160930_1.html
この研究により東日本大震災が発生時刻
2011年3月11日 14時46分
この4分前の14時42分に上空の電離圏(電離層)の電子数の異常を捉えることに成功しました。
その異常を捉えたのこちらです。
赤い色になるほど電子数の異常が大きいようですが、東北沖で大きな異常を捉えています。
■の震源地からもわかるように、震源地近くで大きな電子数の異常が見られます。
更に2016年4月16日午前1時25分に発生した熊本地震の40分前の午前0時45分にも電子数の異常を捉えています。
5年前の研究は、東日本大震災の震源地とは異なる場所での観測でしたが、この京都大学の研究により電離層(電離圏)での異常と地震との関係が裏付けられたともいえます。
先に述べた、ソフトバンクの通信障害発生後に起きた、茨城県沖(震度3)の地震
もしかしたら、電離層(電離圏)の異常による地震の発生だったのかもしれません。
しかし、ここで疑問となるのが、電離層(電離圏)で電子の異常が起こる原因です。